シンプルなサインは金に効くのか 大陽線・連続足・200SMAを検証

更新日 2026年11月1日 · 約4分で読めます

もっともらしく聞こえるチャートのルールはたくさんあります。そのうち3つを、ゲームと同じ10年分の金価格で検証しました。どこまで信用できるかを判断できるよう、すべての結果に件数を添えています。

まず基準を知る

サインを検証する前に、「サインがないとき」がどうなっているかを知る必要があります。10年間で陽線(始値より終値が高い足)だった割合は、15分足で50.2%、1時間足で50.7%、4時間足で51.3%です。このわずかな偏りは、金の長期的な上昇から来ています。サインに意味があると言えるのは、この数字をはっきり上回るときだけです。

10年分の金データで検証したシンプルなサイン
場面足件数その後基準
ローソク足が陽線で終わる15m231,33150.2%50.0%
ローソク足が陽線で終わる1H57,89050.7%50.0%
ローソク足が陽線で終わる4H15,31751.3%50.0%
大陽線の次の足が陽線1H70150.4%50.7%
大陽線から10本後に上昇1H70152.9%52.2%
大陰線の次の足が陰線1H69048.6%49.0%
大陰線から10本後に下落1H69042.8%47.8%
大陽線から10本後に上昇4H14858.8%53.8%
大陰線から10本後に下落4H15651.3%46.2%
3本連続陽線の次が陽線15m26,98347.2%50.2%
3本連続陽線の次が陽線1H6,99048.0%50.7%
3本連続陰線の次が陰線1H6,32846.6%49.0%
5本連続陽線の次が陽線1H1,59846.8%50.7%
SMA200より上で終了: 10本後に上昇1H32,82452.3%52.2%
SMA200より下で終了: 10本後に上昇1H25,06652.1%52.2%
SMA200より上で終了: 10本後に上昇4H8,71553.6%53.8%
SMA200より下で終了: 10本後に上昇4H6,60254.1%53.8%
大陽線・大陰線は、実体がATR(14)の2倍以上のローソク足です。「その後」は書かれた方向に動いた割合、「基準」はその足のすべてのローソク足での同じ割合です。変化がなかった足は「続かなかった」に数えています。

大きな足は勢いのしるしか、行き過ぎのしるしか

ここでは、実体がそれまでのATR(14)の2倍以上あるローソク足を「大陽線」「大陰線」と呼びます。

  • 1時間足の大陽線のあと、 次の足が陽線だったのは50.4%(701件)で、ふつうの足と変わりません。10本後に上がっていたのは52.9%で、基準の52.2%とほぼ同じです。どちらの方向にも優位性はありません。
  • 1時間足の大陰線のあと、 10本後に下がっていたのは42.8%(690件)だけで、基準の約47.8%を下回りました。つまり、1時間足の急落は、そのまま続くより買い戻されることのほうが多かったのです。690件でこれだけの差なら、偶然だけとは考えにくい結果です。ただし、この10年は強い上昇相場だったことも忘れないでください。
  • 4時間足では、 大陽線から10本後に上がっていたのは58.8%でした。ただし148件しかないので、誤差は±8ポイントほどあります。ルールではなく、ヒントくらいに考えてください。

3本続いたら、4本目も続くのか

  • 1時間足で陽線が3本続いたあと、 次も陽線だったのは48.0%(6,990件)でした。陰線が3本続いたあと、次も陰線だったのは46.6%です。
  • 15分足では、それぞれ47.2%と45.9%でした。
  • 1時間足では、もっと長く続いた場合も同じ傾向です。陽線が5本続いたあと、次も陽線だったのは46.8%でした。

短い時間足では、連続した足は続くより一息つくことのほうが少し多く、その差は2〜4ポイントでした。これだけで取引するにはスプレッドを考えると足りませんが、「4回上がったから、また上がる」という感覚はデータでは支持されません。

200SMAはトレンドを示すが、タイミングは教えない

1時間足の56.7%で、終値が200期間の単純移動平均線より上にありました。しかし、上にあるか下にあるかで、その後の動きはほとんど変わりませんでした。

  • 1時間足: 10本後に上がっていたのは、SMA200より上のとき52.3%、下のとき52.1%。
  • 4時間足: 上のとき53.6%、下のとき54.1%。

200SMAはトレンドをよく表しますが、それだけでは次の10本を予想できませんでした。

まとめ

  • ひとつの条件だけでは、結果は50%から数ポイントしか離れません。 優位性があるとすれば、時間帯・上位足のトレンド・近くの価格帯といった条件を組み合わせたときと、何もそろわないときに見送るときです。
  • 必ず件数を確かめます。 150件なら±8ポイントは誤差の範囲です。7,000件あれば、2ポイントの差も本物ですが、小さな差です。
  • 自分の考えを試してみましょう。 ゲームで根拠を描画しておき、上か下かを選び、直近30本を振り返れば、その考えが通用するかがわかります。
  • ここにある数字は、ひとつの市場・ひとつの期間の過去の頻度です。過去を表すもので、将来を予想するものではありません。

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